農地法の規定により、原則として農地所有適格法人ではない法人は、農地の権利取得を行なうことができません。
しかし平成21年度の農地法改正により、一部規制緩和が行なわれました。

この記事では農地に関する規制緩和の内容や、適用されるための要件についてまとめます。

規制緩和により、一般企業の農業参入を促進が図られる

農地法改正以前においても、各市町村が定める特区区域内に関して、農地リースによる農業参入が認められていました。
しかし、特区に指定される区域のほとんどが遊休農地やそれに近い農地であったため、新規農業参入は思うように進みませんでした。

それを受けて平成21年度、特区区域内に限らず、原則どこでも農地を借りることができるよう法改正が行なわれました。

もっとも、農地の所有権についてはこれまでどおり、農地所有適格法人でなければ得ることができません。
あくまで農地を借りるだけであることに注意が必要です。

一般企業が農地を借りるための要件

農地所有適格法人ではない法人が農地を借りるためには、以下の5つの要件を満たす必要があります。

要件① 使用貸借または賃貸借による権利の設定であること

一般企業が農地を購入して所有権を得ることはできません。
使用貸借(無償)または賃貸借(有償)の契約であることが必要です。

要件② 解除条件付きの契約であること

農地を借りる契約に、解除条件が設定されていなければなりません。
「農地を適正に利用していない場合には、契約を解除する旨の条件」が書面によって明らかにされている必要があります。

要件③ 地域において適切な役割分担を担うこと

地域農業に関する会合に参加すること、水路などの共同利用施設の取り決めを遵守することなどが必要で、確約書や誓約書の提出が求められます。

要件④ 継続的かつ安定的に農業経営を行なうと見込まれること

確保している機械施設や労働力からみて、長期的に農業を行なうことが可能かどうかが判断されます。
新規参入の場合には、営農計画書により示すことになります。

要件⑤ 業務を執行する役員が常時従事すること

業務を執行する役員のうち1人以上が、その法人が行なう農業事業に常時従事する必要があります。
この農業事業は農作業に限定されず、営農計画の作成、マーケティングなども含まれます。
原則年間150日以上の従事が求められており、地域に常駐することが望ましいといえます。

まとめ

平成21年度の農地法改正により、一般企業の農業参入のハードルは低くなりました。
ただし、農地の所有権を得ることはできず、使用貸借または賃貸借となります。
農地を借りるためには、農業を安定的に行なっていくことを示すため、定められた要件を満たす必要があります。